森喜朗会長の失言(2)

森会長の後任選びが難航しているようだ。 いったんは川淵氏に決まりかけたが、選考の不透明さと、できれば もっと若い人を、女性であればなおよいという声に押されて再検討 されることになった。 何だか先がみえるようだ。 おそらく五輪委では、世間受けする若い人(少なくとも森氏や川淵 氏よりは20~30以上)、多分だが女性を選ぶのではないか。実 績や本人のやる気をある程度度外視してまでも。 そうして、難しい交渉の場でミスでもしようものなら、「だから経 験のない人は…」「だから女性は…」とか言ってこきおろすのでは ないのか。 そうして、東京五輪がもしも中止になってしまったら(開催しても 問題だらけの大会になってしまったら)、みんな新会長のせいにし てしまうんじゃないのか(その人を選出する以前の出来事は棚に上 げて)。「世論に従った結果がこれだ」「左翼とマスコミは反省せ よ」とかね。 私は、「山を降りる勇気も必要」とばかりに中止に持っていってく れたのなら、森氏を大変に評価するのだがなあ。 普通に考えて、今のまま開催に突っ走っても、誰も楽しめない大会 になるのじゃないか。 「こんな風になったのも、みんな左翼とマスコミのせいだ」ネット 上のあちこちで聞く言葉だが、文句をつけるのが左翼とマスコミだ けだったら、今回の件に限らず推進派は絶対に無視して押し通した に違いないんだ。IOCやら、諸外国やら、スポンサー各社が言い 出したため…

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森喜朗会長の失言

森喜朗会長の失言が物議をかもしている。 内容については、今更私などから説明する必要もないだろう。 細かい点で気になったことを上げていくと…。 「そのような(女性を蔑視する)意図はなかった」 ほとんどありとあらゆる失言で使われる言い訳である。 自民党の野田聖子議員が、野党女性議員の白い服を着ての抗議に対 し、「私はやらない。政治家は言葉が仕事。」と言ったそうだが、 とりもなおさずそれは森会長にも言えることである。「言葉が仕事」 であるがゆえに、発言には慎重になるべきなのである。たとえ本当 に悪意がなかったとしても、誤解を招く発言をしたなら相応の責任 はあるはずだ。 「言葉の一部を切り取っている」 これも前述と同じで、「言葉が仕事」であるなら発言の細部に至る まで慎重に言葉を選ぶべきだったのではないか。何年か前の、とあ る中学校での校長の発言と同じである。(マスコミのやり口に問題 がないと言うつもりはないが。) 「多様性をいうなら、こういった発言も認めるべきではないのか」 これはよく言われることだが、私に言わせれば詭弁である。 「自由」というなら「人を殺す自由」もあるのじゃないか、と言う 人がいるが、そんな思想を持った人間が「人を殺してはいけない」 と考える人たちと共存できるわけがない。自由にしろ多様性にしろ、 野放図に認められるわけではないのである。 「共存共栄がはかれる」という大前提が必要だ。少なくとも、私は そう思っている…

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皇族バッシング 21-01(1)

真子内親王の結婚についてのバッシングが続いている。 バッシングする人たちの気持ちも、わからなくはない。少なくとも 報道を見る限りにおいては、相手の小室圭という人には私も好感を 持てないし、擁護する人もほとんどいないようである。 しかし、である。恋愛も結婚も、お互いが好いて好かれてするもの である。皇族たちも一人の人間であることを考えると、まわりの人 間、それも一度も会ったことのない一般人たちが、「結婚やめろ!」 「別れろ!」と声高に叫ぶのはどうなのか。 皇族の人たちは、国民の家畜でもペットでも、人形でもないのであ る。一般人とは違った宿命を負わされているとはいえ、人格を持っ た一個人であることを、認めるべきであろう。 「あんな男が将来の天皇の義兄でいいのか!」と言う人がいるが、 「だから何だ」と私は言いたい。まわりがしっかりしていれば何の 問題もない。たとえ彼が自分の立場を利用して利益誘導しようとし ても、「形の上では親族でも、あんた自身は皇族じゃないだろ」で 終了だ。(私が思うに、あの二人が結婚したとしても結局は別れる という可能性も十分あると思う。その場合の法的整備が不十分なよ うなので、それはぜひとも結婚前に整備してほしい。実家に帰る→ 皇族復帰で私はいいと思うが。) 「皇族に人権はない!」そんな風に言う人がいる。もしもそんな人 たちが世の中に大勢いるのであれば、悠仁親王の結婚相手選びは難 航をきわめるだろう。誰が自由や人権を…

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2020米大統領選挙(4)

次期アメリカ大統領が、ようやっと決まったようだ。 再選がはたせなかったトランプは、最後まで潔さがなかった。 (アメリカも日本と変わらんな) 前にも書いたが、一部に熱狂的な支持者がいても、一部で徹底嫌悪 されるような人間は、トップになってはいけないと私は思う。 トランプをみていて、何年か前に安倍総理が、ヤジをとばした聴衆 に向かって「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と言った のを思い出した。 総理たるもの、自分を支持するしないにかかわらず、国民すべてに 奉仕すべき存在なのではないのか。ヤジった人間も同じ国民なんだ ぞ。自分を批判する人間は国民じゃなくて敵だとでも言うのか。 トランプを崇拝する人もいれば、蛇蝎のごとく嫌う人もいる。それ って、一部の人だけ優遇して、一部の人は冷遇しているということ なんじゃないのか。 私は決してバイデンを支持するわけではないが、まがりなりにも、 「協調」を主張する人間の方が、トランプなどよりはるかにましだ と思っている。 おそらくこの先、トランプの支持者らに足を引っ張られて、大した 実績を残せずに終わるような気がするが、それであってもトランプ が続くよりは間違いなくよかったと思っている。

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このブログをご覧になっているすべての皆様へ   2021

新年明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 昨年は、私などが言うまでもなく、コロナに始まりコロナに終わった一 年でした。やれ検温だリモートだ感染対策だ、マスクつけろ三密防げと 仕事でも私生活でも我慢ばかりの毎日でした。「不自由なのは自分だけ じゃない」「相手がウイルスでは誰も責められない」そればかりを自分 に言いきかせて堪えてきました。 ウイルスの猛威が日増しに増えてくる中、ワクチンやその他の有効な手 段の開発に、希望をつなぐしかありません。 どのような一年になるかわかりませんが、皆さんにとっても良い年であ りますように。

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今年の大ブーム(1)

今年の(漫画界の、という形容詞ぬきで五指に入る)大ヒット作、言わ ずとしれた「鬼滅の刃」である。 オッサンと呼ばれる年になって久しい今でもマンガを読みあさっている 私だったが、この作品はノーマークだった。まずはアニメ版を何話か観 てみた。 なるほど面白い。設定もストーリーも私の好みだ。絵柄は愛嬌があって コメディの方が合うかなとも思ったが、少なくとも悪い感じはしなかっ た。 しかし、熱烈ファンにケンカを売るつもりはさらさらないのだが、私の ような年季の入ったマンガファンには、「ここまで大ヒットする作品か ?」と思えてならないのだ。 さっきも言ったがこの作品は面白いし出来もいい。アニメ版しか観てい ないが、「テレビアニメとは思えないクオリティ」と言われるのもうな ずける。原作の方もきっと、ジャンプの看板の一つなのだろう。 しかし(逆接が多いな)、並みいるライバルたちをけちらして引き離す ほど(頭一つ二つは抜けているかもしれないが)の圧倒的強さを持つ作 品か、と言われると違うと思う。他の作品にはない際立った個性がある かと言われるとそれもない。それでいて「社会現象」?「邦画配収NO.1 が時間の問題」?何かおかしくないか。 この作品が大ブームになって、評論家やライター諸氏がいろいろ書いて いる。いずれもこの作品の何がすばらしいか、何が他と違うのかを指摘 している。だけど、私にはそのほとんどがピンとこなかった。 「残酷描写を逃げ…

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マンガやアニメのリアリティ 20-12(1)

「風の谷のナウシカ」は、テレビで数回観た。最初に観たのは、上映から 2、3年後だったか。今から30年以上前になるのか。 言わずと知れた、宮崎駿の名を一大メジャーに押し上げた作品である。観 るたびに、その出来の良さに感心させられた。細部までていねいに作られ ていて、物語も映像も見事としか言いようがなかった。 だけど、俗人である私は、ほんの些細なところが気になって仕方がなかっ た。(全体の出来が良いから、なおさらそうなのかも知れないが) ヒロインのナウシカは、虫がいじめられているのを見て涙ぐむくせに、自 分の父親が死んだときは涙一つ見せなかった。「なんて可愛げのねえ娘だ !」私は、彼女がどうしても好きになれなかった。 虫を愛するが故に、自分と同じ人間と戦わざるを得なかった姫。 似たようなヒロインに、実写映画「愛は霧のかなたに」のダイアンがいる。 庭の木に毛虫を見つければ、枝ごと切り取って焼き払うような私は、きっ とナウシカとは友達になれないのだろうな。 彼女が現代の現実世界に生まれたらどうなっていただろうか。 グレタ・トゥーンベリ嬢みたくなっちゃっていたかな。それとも案外、ご く普通のきゃぴきゃぴ(死語か?)ティーン少女になっていたかな。 雑誌マンガ「巨蟲列島」のヒロイン・ナツミちゃんなど、ナウシカの現代 版と言ってもいいかもしれない。(しかし彼女はナウシカとは別の意味で リアリティないよね。こんな女子高生どこ探してもいないよ。せめ…

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2020米大統領選挙(3)

アメリカ各地で、「不正をはたらいたバイデンを大統領としては認め ない!」とデモなどで気勢を上げている人たちが大勢いる。 本当に不正があったのか、あったとしてどの程度だったのかはさてお いて、おそらく「トランプはもうごめんだ!」と言う人も相当数いる はずだ。 こんなふたりのどちらかにするというのは、どちらにしてもアメリカ にとって不幸なことにしかならないのじゃないか?

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2020日本シリーズ

ソフトバンク対巨人の日本シリーズが始まり、第二戦まで終了した。 現状は、ソフトバンクの二勝であり、スコアだけをみれば圧勝である。 しかし、ネット上に流れる「巨人弱すぎ」「もう4-0でソフバンだ ろう」という意見ばかりなのはいかがなものか。 私は巨人ファンではなく、どちらかというと地元チーム楽天のいるパ の代表、ソフトバンクを応援している者だが、2試合ともかなりの運 不運があった。 しかも、リーグ戦の時とは違い、短期決戦は何が起こるかわからない。 一日置いたら、まるで別のチームみたいになっていることだってある のだ。(そもそもが、巨人の潜在能力はこんなものではないはずだ。) 二連敗の次に連勝して日本一になったケースも少なくない。 ほんの4年前の日本ハムにしてもそうだし、2000年の巨人もそう だ。 二試合の結果だけで安直に決めつけるのはよくないと思った。 (バイデンとトランプの戦いをみていて、こちらでも同じことを考え てしまった。)

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2020米大統領選挙(2)

米大統領選挙は、この先どういう展開をするのか。 ネット上の「不正選挙」の情報は、いっこうに収まらない。かといっ て、不正をあばく調査が、大きく進んでいるようにもみえない。 「バイデンの勝ちだ!いさぎよく負けを認めろ!」 「トランプの勝ちだ!いさぎよく不正を認めろ!」 どちらも断言口調で言う人がいるが、何か絶対的な根拠があるのだろ うか。 (声を上げない人も含めて)ほとんどは「様子をみるしかない」とい うところじゃないのか。 「マスゴミは腐敗している!」「信用できない!」 そういう人がネット上にあふれている。確かに、大手マスコミの言う ことを一から十まで信用するのは危険だろう。しかし、希望も込みで はあるのだが、私には、マスコミから良識や正義感が一切なくなって しまったとまでは思えないのだ。 そしてまた、ネット上で「これは大手マスゴミが絶対報道しない内容 だ!」と声高に叫ぶ人たちの言うことも、すべてを無条件では信用で きないだろう。 本当に、組織ぐるみの大掛かりな不正があったとすれば、バイデンは というより、米民主党は壊滅的な打撃を受けるだろう。そしてそれは、 自業自得なことでもある。 これも希望込みではあるが、そこまでひどいものではないと思いたい。 そして、民主党が壊滅してしまうことは、おそらく米共和党にとって も決して良いことではないだろう。なんとなれば、トランプが暴走し た時、外部からブレーキをかける者がいないということ…

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2020米大統領選挙

米大統領選挙が”おおむね”終了した。 バイデン候補が次期大統領になるとの見通しだ。 消極的バイデン候補支持の私(もちろん日本人の私には投票権はない が)にとっては望ましい結果だったはずだが、とても手放しで喜べる 状況にない。 ネット上に氾濫する「不正投票」の情報である。写真や動画を提示し て、信ぴょう性を誇示するものもかなりある。それらすべてが真実と は思えないが、その逆もまた言えるだろう。 このようなことがまかり通れば、民主主義は成立しない。 今騒がれている半分でも、いや十分の一、百分の一であっても、徹底 糾弾すべきだろう。 もちろん、フェイクでこのような騒ぎを起こし、相手に罪をかぶせよ うなどというのは、なおたちが悪い。そういうものがあるならば、そ ちらも徹底糾弾して、同じくらいの罰を与えないと割が合わない。 思うに、このような状況をよびこんだというのは、トランプの政治が 間違っていたということに他ならない。 私に言わせれば、トランプの政治は「アメリカファースト」ではなく 「自分ファースト」「自分への支持者ファースト」だったのだ。崇拝 者さながらの支持する者たちと、蛇蝎のごとく嫌悪する支持しない者 たちとがくっきり分かれているのは、そういうことだからじゃないの か。 民主主義というものは、選挙で勝った側が負けた側に、何でも言うこ とをきかせられるわけではない。王様ゲームなどとは違うのである。 勝った側が政治を担当…

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マンガやアニメのリアリティ 20-10(2)

「めぞん一刻」については、一刻館の住人たちにも言及した。 「田舎ならまだしも、都会でこんなにも他人の私生活にずかずか入り 込む近隣住人はいない」 ある雑誌の読者投稿で「予備知識なしでアニメを観たが、住人たちの 非常識さ加減にたえられず観るのをやめた」という声があった。響子 さんに関してはともかく、こちらは少しは共感する人がいてくれそう だ。 読んで(観て)わかるが、作中の人物たちに不快感はない。皆が皆、 心優しい人たちなのだろう。おせっかいなほどに世話好きで。 俗な言い方をすれば、いわゆる下町人情ものという感じだろうか。 「めぞん一刻」が始まったのは1980年。ついこの間まで70年代だった わけだ。70年代といえば「フーテンの寅さん」が全盛期で、描かれる 世界はさらに昔の時代ではあったが、都会であってもご近所づきあい が今よりずっと親密で、家族的なあたたかさを感じさせてくれた。 当時と言えば「巨人の星」「あしたのジョー」で一世を風靡した梶原 一騎の諸作品も、下町人情を抜きにしてはなりたたなかった。 高橋留美子女史は、執筆当時20代前半だったというが、そういった ものをみて育ったと考えれば、作品に反映されるのも必然だったのか もしれない。そして、それを読む読者層も、10代後半から20代と いうことを考えれば、その手のマンガをたくさん読んで育ってきたわ けで、少年マンガより少しだけ大人っぽい青年誌マンガといえども、 ガラッと変えるよりか…

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デザインの変更

あらためて自分のブログを見直してみると、ずいぶんと読みにくいな と感じた。スタート以来7年あまりも続けたスタイルだが、デザイン を変えることにした。 スタート当初はなかった白地主体で、大分読みやすくはなったと思う。 しかし毎回画像ウィンドウが出るとなると、毎回何か「さし絵」を入 れたくなってしまう。(写真だと特定されないよう気を付けないとな) 話題がマンガだったら下手な似顔絵でも描いてみるか。いやいやあま りに下手すぎて「お目汚し」だわな。作者先生もファンもきっと怒る し。

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マンガやアニメのリアリティ 20-10(1)

前回は、「めぞん」の響子さんにリアリティがないという話をした。 さらには宮崎駿作品の少女キャラにも言及した。 ここでふと、マンガやアニメのリアリティとは何ぞやと考えてしまっ た。 響子さんや宮崎キャラよりリアリティのあるキャラクターって、何だ? こんなことを言っておきながら、簡単には思いつかない。 リアリティはないが、それが鼻につかないキャラは山のようにある。 そもそもがこんな世界はありえないと、初めから認識できる作品世界 だったら、どれだけぶっ飛んだキャラが登場しても、受け入れるのは 難しくない。 「未来少年コナン」…宮崎駿の名を世に知らしめたテレビアニメの傑 作中の傑作である。それは確かに認めるし自分も夢中になっていたク チだが、どうしてものめりこめないところがあった。ヒロインのラナ ちゃんである。「あまりにお行儀が良すぎないか!?」 これをまわりに話すと、ほとんど誰もが(それこそ老いも若きも)驚 くか怪訝な顔をする。雑誌等のファン投稿をみても(本放送当時はイ ンターネットはおろかパソコンすら普及していなかった)、自分のよ うな意見がほとんどないことを知った。 年齢設定がわからないが、絵柄から見て、コナンもラナも小学校高学 年くらいだろうか。コナンみたいな男の子は「普通にいる」と感じる (それが確かかどうかはさておいて)のだが、ラナみたいな女の子は 「こんな子いるかぁ?」と感じられて仕方がなかった。何か、異様に 「いい子」…

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めぞん一刻かぁ…20-10(1)

ユーチューブ他ネット界隈で「めぞん一刻」の話題がかまびすしい。 なぜかと思ったら、連載開始40周年だったのね。 大ヒット作「うる星やつら」のそのまた以前から、高橋留美子ファン だった自分としては、この作品にも当然飛びつかないはずがなかった。 しかし、面白いんだけど、見事なまでに出来のいい作品なんだけど、 マンガ史上に残る傑作というのに心の底から同意するんだけど、私個 人としては、今いち乗り切れなかった。 これは、おそらく多分に私個人の事情によるものであり、他のファン たちにも、作者先生や作品にケンカを売るつもりはない。前述したよ うに、大変に素晴らしい作品であることは認めているんだ。 ヒネた十代ガキだった私は、このマンガの連載当初から、ある種の引 っかかりを感じていた。 まず第一に、「22歳の若後家」という大時代な設定に引いた。たか が2歳の年の差に悩む五代にも抵抗を感じた。 「22歳でこんなにもオバンじみた女性はいない」 「田舎ならまだしも、都会でこんなにも他人の私生活にずかずか入り 込む近隣住人はいない」 今ではなく当時のことではあるが、私はそう思っていた。 当時は「女はクリスマスケーキ」という言葉が厳然と生きていた。 電話機も、ピンクの電話が物語るように、携帯はおろかテレホンカー ドすらない時代だった。 だから私が列記した部分も、リアリティを完全には失っていなかった のだと思う。 私には、年の離れた姉がいた。自分が中学の時は大…

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コロナ禍

いっこうに収束の気配すら見えないコロナ禍については、大勢の人に あちこちで書かれているが、何が正しくて何が間違いなのか、私はも ちろん誰にもわからないのではないか。(あまり悲観的にはなりたく ないが) 自粛勧告に逆らって、K-1の試合が開催されたことに非難の声が多 いが、勧告に従って生活に困窮しても「それは自己責任」と言われた らいったいどうすればいいのか。私は必ずしも試合を強行したK-1 側の肩を持つわけではないが、妥協点を模索した選択として、ありか もしれないと思った。(ただし自分はなるべ く距離をおこうとするだろう) 内定を取り消された学生のニュースが何度も報道されていた。こうい うケースでは、たいてい私は弱い立場である学生の方に味方する立場 をとる。しかし、内定を出したのが秋かそれ以前であるとしたら、企 業側も予想だにしなかった感染症拡大に見舞われて、苦渋の選択をし たのかもしれない。一方的に企業側を叩いてよいものだろうか。 無理やり内定取り消しを無効にさせても、その企業は、遠からず立ち いかなくなるのではないか。どういう業態かわからないが、利益を出 せなければ内定時に約束した給料だって払えないのだ。それが放漫経 営によるものであれば企業側が悪いが、今回のような不可抗力だった らどうなのか。 とりあえずは自分に可能な範囲で、感染防止に注意するしかない。

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どうしてこんなに潔さがないのか(5)

「今回の小中高一斉休校の要請で、小さな子のいる家庭では親が仕事を 休まねばならないとの批判があるが、こんなもの無視してよい」「夏休 みや冬休みに対応できているのであれば、問題ないはずだ」そういう声 があちらこちらで目につく。 それは違うと私は言いたい。 夏休みや冬休みは、子供が学校に行っていれば何年も前からほぼこの時 期だとわかっている。当然、時間をかけて対策を検討できる。突然、そ れも営業日一日で何が検討できるというのか。 それと、子供の世話で仕事を休まざるを得ない人が続出した会社や組織 は、当然業績が落ちるわけだが、政府はそれを自己責任で片付けるつも りだろうか。 黒川検事長の定年延長にしても、普通に報道をみていれば政権側のごま かし・ゴリ押し以外の何物でもないことは小学生でもわかる。なぜこん な政権を擁護する人たちがこれほどたくさんいるのだろう。百歩譲って、 安全保障や経済面で(私はあまり評価していないが)実績があったから と言って、法律にもとる諸策をしてはいかんだろう。その人を支持する ということは、その人の良いこと悪いことすべてを肯定することではな いはずだ。本当の支持者なら、悪いところは悪いと批判すべきなのだ。

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どうしてこんなに潔さがないのか(4)

タイトルを叫びたくなる状況が、エスカレートしている。 ネット上でも雑誌記事でも、野党に対して「桜をみる会なんか追及して いる場合か」「もっと大事な案件があるだろうが」という声が強い。 今の野党に問題なしとは言わないが、それは違うと私は思う。 前にも書いたが、政権側がすべてをオープンにすればあっという間に話 がおわるのだ。何よりも大事なことは、政権側の言い分が「信用できる かどうか」だ。今の段階で言いきることはできないが、政権側の姿勢を みていると、ごまかし・言い逃れをしているとしか思えない。 これがどういう意味を持つか。 「コロナウイルス問題」での政府の言い分も、同じでないと言えるのか。 全てを見渡し、最上段から指示を出す立場である政府の言い分が、信用 できなかったら国民は何を信じればよいのか。 「桜をみる会をめぐる政府の言い分が信用できるから、コロナウイルス 問題についても信用できる」そういう論理なら成り立つが、前者はとも かく後者は信用できるなどとは誰が言えるか。 真実を言えば国民がパニックになる? それはあまりにも国民を信用しなさすぎる。なめていると言ってもいい。 たとえ法的な問題や道義的な問題があったとしても、潔く真実を語った 相手には国民も理解を示すはずだ。(責任の追及はまた別の問題だが)

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ゴーン容疑者日本脱出(3)

この事件を考える上で、もうひとつ大事なことがある。 日本で裁かれようとしていたゴーン容疑者の犯罪が、どれほどのもの かである。 もしも、無罪、あるいは小額の罰金刑程度であったなら、そんな相手 にあれほどの非人道的な扱いをしたのか、ということになる。ゴーン はいっきにヒーローとなり、日本は徹底的に悪として叩かれる。 これが懲役二桁年数にもなる重罪であったなら、話が逆転する。徹底 的に悪として叩かれるのは、ゴーン側であり、匿ったレバノン側であ る。日本は、極悪人に逃げられた被害者となる。 陸山会事件然り、無実の人間にとても正当とは思えない長期間拘束を 平気で行う日本の検察であるから、日本人として残念ではあるが前者 の可能性も小さいとはいえない。 加えて、昨今の裁判も、正当に裁かれたとは思えないような事件が多 すぎるだけに、自分がゴーンであったとしても、実行が可能であれば 逃亡を企てるだろうとは思う。(あくまで可能であればの話、高額の 保釈金をドブに捨てるなど庶民に出来るはずもない) 何にしても、今のままではそれこそ真相が闇の中になるのだが…。 何度も言うが、この事件とは別にして、日本の司法、特に検察の非人 道的なやり口は改めないといけない。断じて、この事件を契機に、よ り非人道的になっていくようなことがあってはならない。 今回の事件は、外国籍の、それも大金持ちだからできたことであって、 非常にレアなケースであると言える。 …

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ゴーン容疑者日本脱出(2)

この事件において、切り分けて考えないといけないのは、  ①日本では、容疑者の人権が軽視された取り調べがある    ②(たとえ①の事実があったとしても)   ゴーン容疑者のとった行動は違法であり、不正である ということである。 今回は、①に我慢ならなくなった容疑者が、②を実行できるだけ の財力と人脈を持っていたということだ。 おそらくほとんどの人間は、①に憤慨しながらも受け入れるしか なかっただろう。何より、現政権に遠い・近い、あるいは官公職 についていて地位が高い・低いで、素人目にも扱いが違うとなれ ば、お世辞にも公正であるとは言えないだろう。 「法の下で平等」であるはずが、ぞんざいに扱われた身になって 考えれば、今回のゴーン容疑者の逃亡に喝采を送りたくなる気持 ちもよくわかる。日本はこの部分を何が何でも是正すべきである。 ただし、それはそれとして…。 ゴーン容疑者の逃亡が②である以上、日本側があらゆる手段をと って身柄引き渡しの実現を図るのは当然のことである。 すでに、ICPOが日本の要請を受けてレバノンに働きかけていると いうから、今後の展開を見ていく必要があるだろう。ここで正義 が実現されないのであれば、レバノンは国際的に孤立し、ゴーン 容疑者もレバノンから一歩も出られない状況に追い込まれるだろ う。 私が何より心配なのは、日本国内における①の是正である。 ただ単に、容疑者の拘束をもっと厳しくするだけになって…

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